法華経の中の仏教用語
阿耨多羅三 | 藐三菩提 | あのくたらさんみゃくさんぼだい |
この上ない正しい悟り・仏の得られた悟りのこと | ||
阿羅漢 | あらかん | すべての煩悩を除き尽くしたもの |
異 | い | ものごとが変わっていく有様 |
一切種知 | いっさいしゅち | ものごとの平等相(空)を見る智慧と、ものごとの差別相(有)を見分ける智慧を得て、その両方を生かす統合的な智慧の事 |
有為の心 | ういのこころ | 何事も自分中心に考える心 |
有漏をなす | うろをなす | 煩悩に基づいて色々な事を考えたり行動したりすること |
慧 | え | すべてのものに共通の真理を見出す力のこと |
縁覚 | えんがく | または独覚(どっかく)とも言い、色々な出来事を縁として自分だけの悟りを得た人(体験的修行者) |
戒 | かい | 仏の戒め |
義 | ぎ | 教えの内容 |
耆闍崛山 | ぎしゃくせん | 霊鷲山のこと |
楽説無礙弁才 | ぎょうせつむげべんざい | 法を説く事が自らの喜びとなり、すすんで説く事 |
空 | くう | 一切のものごとは差別を超越していると観ずる事 |
苦の義 | くのぎ | 人生(娑婆世界)は苦の世界であること |
空の義 | くうのぎ | すべてのものには差別や違いがあるように見えるけれども、その本質はすべて平等であると観ずること |
解脱 | げだつ | 世間の迷いや苦しみからすっかり離れた状態 |
解脱知見 | げだつちけん | 自分が解脱していることを自知していること |
見濁 | けんじょく | ものの見方がそれぞれ違うところから生じる悪 |
五濁 | ごじょく | 劫濁・煩悩濁・衆生濁・見濁・命濁 |
劫濁 | ごうじょく | 時代が長く経た為に生じる悪 |
菩薩 | ぼさつ | 大乗の修行をする人 |
摩訶薩 | まかさつ | 大人(たいじん) 大士(だいじ)の事で、大きな志を持った人 |
禅寂 | ぜんじゃく | 境遇の変化に心がぐらつかないこと |
三大真理 | さんだいしんり | 諸行無常・諸法無我・涅槃寂静 |
三昧 | ざんまい | いつも一つの道を守って心を散らす事が無いこと |
定 | じょう | 心が決定して動かない |
志玄虚莫 | しげんこばく | 清らかな心でいつも奥深い思慮を持つこと |
四無礙 | しむげ | 仏の説法はすべての点において完全無欠であること |
寂 | じゃく | 永遠に変わることなく大調和している事 |
生 | しょう | あらゆる物事が生じること |
諸行無常 | しょぎょうむじょう | この世のすべてのものごとは常に非ず |
声聞 | しょうもん | 仏の教えを耳で聞いて悟りを得る人(実習的修行者) |
住 | じゅう | 生じたものごとは、暫くのあいだそのまま続いてゆくであろう |
実相 | じっそう | もとの姿 本当の姿 |
十界互具 | じっかいごぐ | 地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界の六界に更に声聞・縁覚・菩薩・仏と言う聖者四界を加えたもの。 誰の心にも、このような十界が備わっていると言う教え |
真理 | しんり | すべての物事が現象として外に現れる時の姿や性質(相・性・体)はどんなものか、それらのもっている力や働きはどのようなものであるか(力・作)、その力や作用が変化してのに、どういう因がどういう縁によってどういう結果を生み、その結果の後にどういう事柄が残るか(報)、と言う法則で、この法則は形あるもの、無いものに関わらずすべての物事に共通する真理であり、この法則によらう存在しているものは何一つ無い(如是本末究竟等)と言うこと。 |
諸悪莫作 | しょあくまくさ | 諸々の悪をなさず |
十如是 | じゅうにょぜ | 如是相・如是性・如是体・如是力・如是作・如是因・如是縁・ 如是果・如是報・如是本末究竟等 |
衆善奉行 | しゅぜんぶぎょう | すべての善い行いをなし |
諸法無我 | しょほうむが | この世のすべてのものごとは必ず他のものと繋がり合っている。 |
自浄其意 | じじょうごい | 常に自分の心を浄めなさい |
四量無心 | しりょうむしん | 慈心・悲心・喜心・捨心を指す |
旋陀羅尼 | せんだらに | 陀羅尼を巡らす大本の力の意 |
禅定 | ぜんじょう | 静かで安定した心 |
十悪 | じゅうあく | 殺生・偸盗・邪淫・妄語・綺語・両舌・悪口・貪欲・瞋恚・愚痴 |
衆生濁 | しゅじょうじょく | 人々の表面の性質が違うところから生じる悪 |
十四謗法 | じゅうよんひょうぼう | 法華経に背く欠点や考え違いを十四項目に纏めたもの *下段に纏めています。 |
体 | たい | 姿の意 |
退心 | たいしん | 信仰が後戻りすること |
大悲の心 | だいひのこころ | 苦しんでいるものを救いたいと言う心 |
陀羅尼門 | だらにもん | 大勢の人間を導いて悪行を止めさせ、善行を勧めていく力 |
智 | ち | すべてのものの違いを見分ける力のこと |
顛(てん)倒 | てんどう | 利己的な考え |
二乗 | にじょう | 声聞と縁覚のこと |
涅槃寂静 | ねはんじゃくじょう | 迷いがすっかり無くなってしまった、平穏な安定した心の意 |
念念に住せず | ねんねんにじゅうせず | 一瞬間ももとのままにいず、いつも移りかわっている |
不退の心 | ふたいのこころ | 一歩も退くこと無く修行してゆく心 |
振 | ふり | 行動の意 |
法 | ほう | 一切のものごと |
菩薩の四無畏 | ぼさつのしむい | 「無所畏の心」とも 所謂、畏るる所の無い心と言う意味 @総持不忘(そうじふもう):総てを持(たも)ちて忘れず、法を説くこと無畏なり。 A尽知法薬(じんちほうやく):尽(ことごと)く法薬を知り、及び衆生の根(こん)と欲と性と心とを知り、法を説くこと無畏なり。 B善能問答(ぜんのうもんどう):善く能く問答して、法を説くこと無畏なり。 C能断物疑(のうだんもつぎ):能く物疑を断じて、法を説くこと無畏なり。 |
菩提心 | ぼだいしん | 菩薩になりたいと願う心 |
煩悩濁 | ぼんのうじょく | 煩悩(迷い)によって生じる悪 |
妙 | みょう | 心の意 |
命濁 | みょうじょく | 人々の寿命が短い為に、目前の安利に捕らわれて生じる悪 |
無我 | むが | この世のすべてのものは、それだけで存在しているのではなく、あらゆるものを繋がっていると観ずること |
無相 | むそう | すべてのものの差別を超越していること |
無常 | むじょう | すべてのものは移りかわっていると観ずること |
無生法忍 | むしょうほうにん | 仏の寿命の不生不滅を心から信じ得たものが得ることのできる、、自分の境遇や社会のあらゆる変化動揺する事が無い、人生に対する大自信も事 |
無為 | むい | どんな境遇にも安んじ、自己中心的な考え方をしないこと |
無為の心 | むいのこころ | 自分中心でない心 |
無漏の心 | むろのこころ | 煩悩から離れようとする心 |
無欲 | むよく | 物欲に捕らわれることが無いこと |
滅 | めつ | 一切の物事にはやがて終わりがあると言うこと |
聞持陀羅尼 | もんじだらに | 仏の教えを聞くことによって得る、あらゆる悪を止め、あらゆる善をすすめる力の事 |
乱想 | らんそう | つまらない事をあれこれ考えること |
十四謗法 | じゅうよんひょうぼう | 法華経に背く欠点や考え違いを十四項目に纏めたもの |
1.驕慢 | きょうまん | 解ってもいないのに、解っていると思い込む事 |
2.懈怠 | けだい | 怠けたり、余計な事に心を奪われる事 |
3.計我 | けいが | 何事も自己中心的に考える事 |
4.浅識 | せんしき | 物事の表面だけ見て、根本を掴もうとする心掛けの無い事 |
5.著欲 | じゃくよく | 肉体と物質の欲に捕らわれている事 |
6.不解 | ふげ | 何でも自己流に解釈して、大切な点を理解しない事 |
7.不信 | ふしん | 浅はかな考えから信じない事 |
8.顰蹙 | ひんしゅく | 教えに対して顔をしからめたり反感を表す事 |
9.疑惑 | ぎわく | 教えの真実を疑い、躊躇う心を起こす事 |
10.誹謗 | ひぼう | 教えに対して悪口を言う事 |
11.軽善 | きょうぜん | 善い事なのに軽蔑する事 |
12.憎善 | ぞうぜん | 善い事なのに憎らしく思う事 |
13.嫉善 | しつぜん | 善い事なのに、それに対して妬み心を起こす事 |
14.恨善 | こんぜん | 善い事なのに、それに対して恨み心を起こす事 |
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