サンユッタ・ニカーヤとは「主題ごとに整理された教えの集成」と言う意味で、五集からなる経典です。 スッタニパータと並ぶ貴重な原始経典の中から、ここでは抜粋して掲載しております。 ___参考 ブッダ 神々との対話 中村元著 ___ |
|
第T篇 第一章 葦 第五節 どれだけを断つべき? 一. 傍らに立って、その神は、尊師のもとで、この詩句をとなえた。 「どれだけを断つべきか? その上にどれだけを修めるべきか? どれだけの束縛を超えたならば、修行僧は(激流を渡った者)と呼ばれるのであるか?」 二.[尊師は答えた] 「五つ[の下位の束縛]を断て。 五つ[の上位の束縛]を捨てよ。 さらに五つ[のすぐれたはたらき]を修めよ。 五つの執著を超えた修行僧は、[激流を渡った者]と呼ばれる。」 |
|
|
|
第二章 歓喜の園 第二節 歓ぶ 一. 傍らに立って、かの神は、尊師のもとで、この詩句をとなえた。 「子ある者は子について喜び、また牛のある者は牛について喜ぶ。 執着するよりどころによって、人間に喜びが起こる。 執着するよりどころのない人は、実に喜ぶことがない。」 二.[尊師いわく___] 「子あるものは子について憂い、また牛のある者は牛について憂う。 執着するよりどころによって人間に憂いが起こる。 実に、執着するよりどころのない人は、憂うることがない。」 第三節 子ほど可愛いものはない 一. 傍らに立って、かの神は、尊師のもとで、この詩句をとなえた。 「子ほど可愛いものは存在しない。 牛に等しい財は存在しない。 太陽に等しい光輝は存在しない。 海は最上の湖である。」 二.[尊師いわく___] 「自己ほど可愛いものは存在しない。 穀物に等しい財は存在しない。 智慧に等しい光輝は存在しない。 雨雲は最上の湖である。」 |
|
第七節 なしがたいこと (亀】 一.神いわく___ 「人は、どれだけの日時にわたって修行者の行いを行うべきであろうか?___もしも自分の心を制御することができないならば。 修行者の行いは、知能の鈍い人間のなしがたく忍びがたいことである。 [もしもそうしないならば]一歩一歩ごとに心が沈んでしまって、諸々の[乱れた]思いのままになってしまうであろう。」 二.尊師いわく___ 「亀が諸々の肢体[首と四肢と尾と]を自分の甲羅のなかにひっこめるように、修行僧は、自分の粗雑な思考をおさめとり、何ものにも依存することなく、他人を悩ますことなく、束縛の覆いを完くときほぐして、、なんびとをも謗るな。」 |
|
第八節 恥 一.神いわく___ 「みずから恥じて自己を制し、駿馬が鞭を受ける要がないように、世の非難を受ける要のない人が、この世に誰かいるであろうか。」 二.尊師いわく___ 「恥を知って制する人は少ない。かれらはつねに気をつけて行い、苦しみの終滅に到達して、逆境にあっても平静に行う。」 |
|
第三章 剣 サーヴァッティーが因縁(ゆかり)の場所である。 傍らに立って、その神は、尊師のもとで、、次の詩をとなえた。 第一節 刀によって 「刀が体に刺さっている場合に[刀を抜き去る」ように、[ターバンを捲いた]頭[髪]に火がついている場合に、[急いで火を消そうと努める]ように、愛欲の欲情を捨て去るために、修行僧は気をつけながら遍歴すべきである。」 尊師いわく、___ 「刀が体に刺さっている場合に[刀を抜き去る]ように、[ターバンを捲いた]頭[髪]に火がついている場合に[急いで火を消そうと努める]ように、〈自身ありという見解〉を捨て去るために、修行僧は気をつけながら遍歴すべきである。」 |
|
第二節 触れる 神いわく、___ 「触れない人には、[何ものも]触れることがない。 もしも触れるならば、その人に[何ものかが]触れるであろう。」 尊師いわく、___ 「汚れのない人、清らかで咎のない人、を汚す者がいるならば、その邪悪は、かえってその愚者に戻ってくる。___ 風にさからって細かい塵を投げると、[その人に戻ってくる]ようなものである。」 |
|
第三節 結髪 一.神いわく、___ 「内に結髪のしがらみあり、外に結髪のしがらみあり、___ 人々は結髪のしがらみにまといつかれている。 それ故に、ゴータマよ、あなたにおたずねします。 この結髪を解きほごすのは、誰ですか?」 二.尊師は答えた、___ 「人として、堅く戒めをたもち、明らかな智慧をそなえ、心の念いと明らかな智慧を修養し、つねに熱心で、慎み深くつとめる修行僧は、その結髪を解きほごすであろう。 欲情と憎悪と無知(迷い)とが脱落し、煩悩の汚れを滅ぼし尽くした〈敬われるべき人々〉___かれらは、結髪をすでに解きほごしたのである。 名称と形態とがすっかり滅び、障礙も、形態についての思いもすっかり滅びてしまったところでは[内的と外的との]結髪は断ち切られるのである。」 |
|
第四節 心の抑制 神いわく、___ 「人の心が、いかなることをなさないように心を抑制しょうとも、まさにその故に、苦しみはその人に到達しない。 人は、あらゆることを離れるように、心を抑制せよ。 そうすれば、かれはいかなる苦しみからも解脱する。」 尊師いわく、___ 「心を、あらゆる事柄から離れるように抑制すべきではない。 すでに自制されている心を抑制すべきではない。 悪の起こるところから離れるように、それぞれの場合ごとに心を抑制すべきである。」 第六節 光明 神問うていわく、___ 「「世にはいくつの光明があって、世を照らしているのですか。 あなたにおたずねしたいと思って来たのですが、われらはそれを、どうしたら知ることができるでしょうか。」 尊師いわく、___ 「世には四つの光明がある。 ここに第五の光明は存在しない。 昼には太陽が輝き、夜には月が照らし、 また火は昼夜に、あちこちで照らす。 正覚者(ブッダ)は、熱し輝くもののうちで最上の者である。 これは無上の光である」と。 |
|
第八節 大いなる財 神問うていわく、___ 「大いに財宝あり、大いに財産あり、国土を所有している王侯たちは、欲望に飽くことなく、互いに貪り獲得しょうと望んでいる。 熱望をいだき、迷いの生存の流れに押し流されているかれらのうちで、 誰が貪りと妄執を捨て去って、世にあっても熱望することがなくなったのでしょうか。」 尊師が答えていわく、___ 「家を捨てて出家遍歴し、子と家畜と愛しきものを捨て去って、情欲と怒りを断ち、無明を離れて、煩悩の汚れを滅ぼし尽くした貴人たち、___ かれらこそ、世にあっても貪り熱望することがないのである。」 第九節 四輪あるもの 神が問うていわく、___ 「四つの車輪あり、九つの門(=穴)があり、(汚穢に)満ち、貪欲に結びつけられ、泥土から生じたものである。 大いなる健き人よ。 どうしたら、そこから脱け出ることができるでしょうか?」 尊師は答えた、___ 「紐と革帯を断ち、 悪い欲求と貪りを断ちきって、妄執を根こそぎえぐりだして、このようにしたならば、脱出が起こり得るであろう」と。 |
|
|
|
第十節 羚羊の脛 神が問うていわく、___ 「羚羊の脛のように、ほっそりしていて、しかも雄々しく、食物を摂ること少なく、貪り求めることなく、 獅子や像のように独り歩み、諸々の欲望を顧みない人のことを、[尊師に]近づいて、われらお尋ねします。 どのようにしたならば、苦しみから離脱できるのでしょうか?」 尊師が答えていわく、___ 「世間には五つの愛欲の要素がある。 心は、第六のものである、と説かれている。 ここで欲求を断ったならば、このように苦しみから離脱する。」 |
|
|
|
第三章 サトゥッパラ群神 |
|
大一節 善き人々と共に 一. 私はこのように聞いた。ある時尊師は、サーヴァッティー市のジェータ林(孤独なる人々に食を給する長者)の園に住しておられた。 二. そのとき多くのサトゥラッパ群神たちは、夜が明けてから、容色うるわしく、ジャーター林を遍く照らして、尊師のもとにおもむいた。 近づいてから、尊師に挨拶して、傍らに立った。 三. 傍らに立ったある神は、尊師のもとで次の詩を唱えた。___ 「ただ善き人々と居れ。 ただ善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知って、ひとは、より良きものとなる。 より悪きものとはならない。」 四. ついで、他のある神は、尊師のもとで次の詩を唱えた。___ 「ただ善き人々と共に居れ。 善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知るならば、智慧が得られる。 そうでなければ、得られない。」 五. ついで、他のある神が、尊師のもとで次の詩を唱えた。 「ただ善き人々と共に居れ。 善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知ったならば、憂いの中にあっても憂えない。」 六. ついで、他のある神が、尊師のもとで次の詩を唱えた。 「ただ善き人々と共に居れ。 善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知ったならば、親族の間で輝く。」 七. ついで、他のある神が、尊師のもとで次の詩を唱えた。 「ただ善き人々と共に居れ。 善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知ったならば、人々は良い境地におもむく。」 八. ついで、他のある神が、尊師のもとで次の詩を唱えた。 「ただ善き人々と共に居れ。 善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知ったならば、人々はいつまでも安立するであろう。」 九. ついで、ある神が尊師に向かって次のように言った。___ 「尊師さま。みごとにとなえられたのは、だれの詩でしょうか?」 尊師いわく、___ 「そなたらは、すべて、順次みごとに詩をとなえた。 しかし、わたしの詩にも耳を傾けよ。 ただ善き人々と共に居れ。 善き人々とだけ交われ。 善き人々の正しい理法を知ったならば、すべての苦しみから脱れる」と。 第二節 もの惜しみ 一. 或るとき尊師は、サーヴァッティー市のジェータ林(孤独なる人々に食を給する長者)の園に住しておられた。 二. そのとき多くのサトゥラッパ群神たちは、夜が明けてから、容色うるわしく、ジャーター林を遍く照らして、尊師のもとにおもむいた。 近づいてから、尊師に挨拶して、傍らに立った。 三. 傍らに立った或る神は、尊師に向かって次の詩を唱えた。___ 「もの惜しみと怠惰とのゆえに、このような施与はなされない。 功徳を積んで期待し道理を識別する人によって、施与はなされるのである。」 四. そこで他の神が、尊師に対して次の詩を唱えた。 「もの惜しみする人は、なにかのことを恐れて施与しないのであるが、そのことこそ、施与しない人にとって怖ろしいことなのである。 もの惜しみする人が恐れるのは、飢えと渇きであるが、この世とかの世において、それが愚人に触れる。 それゆえにもの惜しみの心を抑えて、汚れに打ち克って、施与をなせ。 功徳は、来世における人々の足場となる」と。 五. つぎに、他の神が、尊師に対して、次の詩を唱えた。___ 「曠野の旅の道づれのごとく、乏しき中よりわかち与える人々は、死せる者どものうちにあって滅びず。 これは永遠の法である。 或る人々は、乏しき中からわかち与え、或る人々は、豊かであっても与えない。 乏しき中からわかち与えたならば、(その施与は)千倍にも等しいと量られる。」 六. ついで、他の神は、尊師に対して、次の詩を唱えた。___ 「わかち難きものをわかち与え、なしがたき行いをなす人々に、悪人はまねて行うことはできない。 善き人々の法は、従い行くこと難し。 それ故に、善人と悪人とは、死後に異なったところにおもむく。 悪人は地獄におもむき、善人は天上に産まれる。」 七. ついで、他の神は、尊師に向かって次のように言った。___ 「尊師さま、みごとにとなえられたのは、だれの詩でしょうか?」 尊師いわく___ 「そなたたちのどの詩も、すべて、順次にみごとにとなえられた。しかし、わたしの詩にも耳を傾けよ。 落穂を拾って修行している人でも、妻を養っている人でも、乏しき中からわかち与える人は、法を実践することになるであろう。 千を供儀をなす人々の百千の供儀も、そのような行いをなす人の(功徳の)百分の一にも値しない。 八. そこで、他の神は尊師に対して、次の詩をとなえた。___ 「これらの供養をなす人々の、大がかりな豊かな祭祀は、どうして、正しくなされた施与の百分の一にも値しないのですか? 千の供儀をなす人々の百千の供儀も、そのような施与をなす人の(功徳の)百分の一にも値しないのはなぜですか?」 九. そこで尊師は、その神に向かって次の詩をとなえた。___ 「或る人々は悪い行いになずんで、ものを与える。___生きものを傷つけ、殺し、また苦しめなやまして。 そのような施与は、涙にくれ、暴力をともない、正しい施与には値しない。 同様に、千の供儀をなす人々の千の供儀も、そのような施与をなす人の(功徳の)百分の一にも値しない」と。 |
|
Page top | |
準備中ですm(_ _)m | |
|
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||